レポート#001 自分だけの絵本が作れる「絵本作り教室」

絵本作り教室

練馬区にある絵本専門のリサイクルショップ「えほんのがっこう」で、定期的に開催されている「絵本作り教室」。

自分だけのオリジナル絵本が作れる、ということで、一体どんな教室なのか、取材してきました!

えほんのがっこうとは

えほんのがっこう
まずは、「絵本作り教室」の会場となっている「えほんのがっこう」。

こちらは、2014年にオープンした絵本専門のリサイクルショップで、校長は中村亮介さん。

置いてある絵本はどれも、中古品とは思えないほどキレイです。

校長先生に聞いてみると、「一冊一冊丁寧にクリーニングしている」のだそうです。

家に眠っている絵本(国内で刊行された絵本、洋書の絵本、児童書)の買い取りをし、「次のこどもたちに絵本を届ける架け橋」となっています。

店内は、絵本のなかに出てきそうなメルヘンな雰囲気。ソファーや机とイスもあり、店内でゆっくり絵本を選んだり、校長先生におすすめの絵本を教えてもらうこともできます。

もちろん、オンラインで絵本を探して、配達してもらうこともできます。

そんな「えほんのがっこう」で、3年ほど前からスタートしたのが「絵本作り教室」です。

絵本作り教室とは

加藤ふじこ
講師を務めるのは、絵本作家の加藤ふじこさん。

日本児童教育専門学校の絵本科を卒業後、絵本作家・イラストレーターとして活動しながら、イベント・絵本の教室などの企画・運営を行っています。

この絵本作り教室に参加できるのは、「大人〜小さなお子さま」まで。親子でも参加もOKだそうです。

自分でストーリー(おはなし)を考え、絵を描いて色をぬり、オリジナル絵本をつくります。初めてでも大丈夫‼︎おはなしのつくりかたや絵のかき方も教えます。

一体、どんな様子なのでしょうか?

夏休みも終わりに近づいた8月23日に開催された絵本作り教室、午前の部におじゃましてきました!

絵本作りの様子

絵本作り教室
この日の午前、絵本作り教室にやってきたのは3組の親子。

偶然にも絵本を作る3人は全員が小学校2年生でした。

加藤先生からの簡単な説明があったあと、早速、机に向かって絵本作りスタート。

みんな事前に準備してきた下書きの紙を広げたり、絵のモデルに持ってきたヌイグルミを机の上に置いたり、それぞれもくもくと手を動かしていきます。

ストーリーを考える

絵本作り教室
まずは、最初に配られたストーリーを考えるための紙に、おはなしを書いていきます。(自分で書いてきた人は必ずしもこちらに書かなくても良いそうです)

この紙に沿って、いつ・どこで・誰が・なにをしたか?なにが起きたか?を書き込むと、おはなしの出来上がり。

この日参加していたみなさんは、事前にお話を考えてきていましたが、お話が浮かばない、どんな話にするか悩む、という人はどうしたら良いでしょうか?

絵本作り教室
そんな時はこちらです!

それぞれの袋に、「いつ」「どこで」「だれが」「だれと」「なにをしましたか または なにがおきましたか」と書いてあります。

袋を開けてみましょう。

絵本作り教室
「だれが」という袋を開けてみると…

「ねこが」「ぱんだが」「ももが」「ハートが」などなど、いろいろなカードが出てきました。

そうです、この袋にはストーリーを考えるいろいろなアイデアが詰まっているのです!

ということで、わたしもこのアイデア袋でお話を考えてみました。

絵本作り教室
でできたお話はこちら。

げつようび、
こうえんで、
いるかが、
りすと、
わらった。

うーん、とってもファンタジー!

イルカとリスという組み合わせや、イルカが公園にいることも面白いですが、月曜日、というのが、イルカもリスも学校をサボっているのか、はたまたリストラされてしまったのか…などなどストーリーをふくらませていけそうです。

記者

やっぱファンタジーではないかも。

絵の描き方

絵本作り教室
お話が決まったら、どのページに何を書くか、付箋を使って決めていきます。

そして、まずはお話から、もしくは絵から、描きやすい方から白紙になっている本に書いていきます。

みんな真剣です。

絵本作り教室
登場する女の子をどうやって書いたらいいですか?」と加藤先生に質問があったので、ちょっと覗かせてもらいました。

大きく丸を書いたあと、「耳は隠れている?前髪はどうなってるかな?」と先生が聞きます。

「ギザギザかな?それともまっすぐ?あと、分かれてるのもあるよね」と、先生が見本を描いてくれます。

絵本作り教室
前髪が決まったら、「じゃあ、髪型はどうしようか?結んでいるとか、おろしているとか、短いのもあるね」と、また見本を描きつつ、決めていきます。

そして、今度はお話の場面に沿って、どういう表情なのか、「にっこり」「びっくり」など見本を描きながら決めていき、「服は洋服かな?水着かな?模様があったら描いてみてね」と、あっという間に女の子が描けました。

絵本作り教室
今度は、「ドキドキしているところをどうやって描いたらいいですか?」という質問。

「目や口を大きくしたり、手を胸にあててみたりするといいんじゃないかな?」と、加藤先生がジェスチャーで見せてくれたり、見本を描いてくれます。

絵本作り教室の時間は、2時間。みんな一生懸命、描いていますが、2時間では出来上がらないことも多々あるようです。

残り時間が少なくなってくると、仕上げは家でできるように、「分からないところを先に描きましょう!」と先生から声がかかります。

絵本作り教室
全部描けたら、背表紙に好きな色や柄のマスキングテープを貼って、製本をします。

そうして絵本が出来上がり!

加藤先生も、「ここが面白いねー」「これが上手に描けてるね!」など、出来上がった絵本を読んで大絶賛。

みんなそれぞれの個性が溢れるオリジナル絵本が出来上がったり、もうあと少しのところまで出来て持ち帰ったり。

あっという間の2時間でした。

小さな絵本作家さんたちの声

2時間もくもくと一生懸命に絵本を作った小さな絵本作家さんたちに、感想を聞いてみました。

「楽しかった。また作ってみたい。」
「楽しかった!お腹が空いたー!」
「疲れたけど楽しかった」

と、時計もちょうどお昼を少しまわった頃。

きっとこのあと、みんな美味しいお昼ごはんが食べられたことと思います。

この日は夏休み中ということもあって、夏休みの自由課題や自由研究に、と参加を決めたお母さんたちが多く、みなさん初めての来店・初めての参加でした。

絵本作り教室
この日、親子4人で来ていたお母さんは、出来上がった絵本を読んで、

ストーリーがちゃんとつながっていて驚いた。」と誇らしげ。

「表情の描き方なども教えてもらえて良かった。」と笑顔でした。

一緒に来ていたまだ小さな妹ちゃんと弟くんは、お姉ちゃんが絵本を作っている間、いろんな絵本をお母さんに読んでもらったり、お店のヌイグルミで遊んだり、校長先生に遊んでもらったり、こちらも楽しい時間を過ごせていたことと思います。

絵本作り教室への申し込み

絵本作り教室の開催日程については、えほんのがっこうのウェブサイトやSNS、加藤先生のSNSなどでお知らせがあります。

ぜひチェック&フォローして、オリジナルの絵本を作ってみてください。

ちなみに、この日は夏休み中ということもあって、こどもたちのみの参加でしたが、大人の方もよく参加されているそうですよ!

えほんのがっこう
ウェブサイト
http://ehonnogakkou.sakura.ne.jp/hp/index.html

https://www.facebook.com/ehonnogakkou/
https://twitter.com/ehonnogakkou03
https://www.instagram.com/ehonnogakkou/

加藤ふじこ
https://www.facebook.com/fujiko.kato1
https://www.instagram.com/katofujiko/

えほんのがっこうへのアクセス

お店の営業日や時間については、ウェブサイトをチェックしてください。

記者

オトナが読んでも面白い絵本や、オトナになって読むからまた面白い絵本の世界。いろいろな世界が広がっていましたよ!