縄文時代を五感で体感する、東京都埋蔵文化財センター

東京都埋蔵文化財センター

縄文土器を触ったり、作ったり、火焚きされている縦穴住居に入ったり、どんぐりを石ですり潰したり。五感で縄文時代を体験できる東京都埋蔵文化財センターと遺跡庭園の縄文の村。現代人が忘れてしまったなにかが、ここに眠っているのかもしれません。

施設について

多摩ニュータウンで見つかった土器や石器類の出土遺物を収蔵することを目的に、昭和60年に現在の場所に建設されたという東京都埋蔵文化財センター。はじまりは、昭和40年9月に発足した「多摩ニュータウン遺跡調査会」でした。

平成3年4月から対象地域を都内全域とし、都内の埋蔵文化財の調査、研究を行いながら、

  • 都民の文化財に関する理解を深める

  • 文化財保護と地域開発の調和を図る

  • 都民の文化生活の向上と地域文化の振興に寄与する

ことを目的としている施設です。

アクセス

電車の場合、最寄駅は京王相模原線の京王多摩センター駅か小田急多摩線の小田急多摩センター駅で、東口から200mくらい、徒歩5分。もしくは、多摩モノレールの多摩センター駅から徒歩7分です。

車の場合、無料の駐車場がありますが、3台分です。満車の場合は、周辺にコインパーキングがあります。

探究する前に

縄文の村に復元された3棟の住居内では、防虫・防腐をかねて日替わりで火焚きが行われています。
季節によって毎日行われているようですが、ウェブサイトでスケジュールが確認できるので、事前に確認していきましょう。野焼きも見学できる日があるようです。

さらに、「見る」だけではなく、「さわる」「感じる」「使う」を重視した各種体験教室・イベントも開催されています。

縄文土器作り教室や、土偶作り教室、古代布作り教室や古代勾玉作り教室などなど、興味深い教室が盛りだくさんです。教室については、事前申し込みが必要なものがほとんどですので、計画を立てておくと、より楽しめそうですね。
体験教室・イベントについてはこちら

お手洗い

  • 展示ホール (屋内)

  • 縄文の村 (屋外)

お買い物

1Fに自動販売機があり、飲み物を購入できます。

あと、お買い物ではありませんが、展示ホール前にあるアンケートに記入すると、なんと、A4サイズのオリジナルトートバッグがもらえます!土器や土偶たちがセンスよくプリントされていて、ふつうに普段から使えます。萌えます。

服装、持ち物

いろいろな体験を楽しむなら、動きやすい服装で。季節によっては、虫よけもあると良いと思います。

縄文人の「衣・食・住」の中で「衣」、着るものについてはまだよく分かっていないそうですが、縄文時代の布の破片は少ないながらも、出土しているそうです。縄文人は麻やカラムシといった植物の繊維を使用して布を作っていたようです。

展示ホール前には、東京都埋蔵文化財センターオリジナルの縄文服があり、縄文ファッションを体験できるようになっています。
縄文人になるために、いろいろと試着しやすい格好だと、より良いかもしれません。

探究してみました

展示ホールは大きさとしてはあまり広くありませんが、時系列やそれぞれの時代についてわかりやすく、展示されています。ここでは一部の土器に「やさしく」触れることができます。

縄文の森の縦穴住居で火焚きをされていた係の方が仰っていたことですが、住居の屋根や壁なども「触らないで」と言うと、子どもたちなどどうしてもがしがしと触ってしまうのだけど、「やさしく触ってください」と言うと、やさしく、触ってくれるのだそうです。

展示ホールでは、常設展示の他に1年単位で企画展があり、平成30年度の企画展示は『蒼海(うみ)わたる人々 考古学から見たとうきょうの島々』。太鼓から人は家族や未来のために命がけで海を渡り、その暮らしを守り、より良いものを求めてきたのだなと、様々なもののカケラたちが、いろいろなことを能弁に語っているように思いました。

展示ホールの前には、様々な体験コーナーが常設されています。
土器を持ち上げたり、文様をつけてみたり、縄文時代の穴あけドリル「弓ぎり」や火おこしの「舞ぎり」を回してみたり、石皿でどんぐりをすりつぶしたりすることができます。

東京都埋蔵文化財センター

こちらは、縄文の村に復元された縦穴住居の中で、火焚きされている様子です。

3棟ある住居には、どれでも自由に出入りすることができます。中は昼間でもけっこう真っ暗なのですが、火焚きされている住居は、こんなかんじです。煙は大丈夫なの?と思いますが、きちんと上の部分から外へと抜けていて、煙たくはありません。

火を囲むように、木のイスが設置されているので、そこに座って火を眺めたり、ここでご飯を作ったり食べたり、寝起きするのはどんなかんじなんだろう、と思いを馳せることができます。

わたしが行ったのは夏場で、他の住居の中は外よりは影になっている分、わりと涼しいかな、というかんじでしたが、さすがに火焚きをしている住居の中は、設置されていた温度計によると36度。しかし不思議と嫌な暑さではなく、ふつうに座っていられました。冬はあたたかくてもっと居心地が良いのだろうな、と思いながら。

火焚きをされていた係の方によると、雨の日も雨漏りがしたことはないそうで、台風やゲリラ豪雨と呼ばれるような雨でも、大丈夫だったそうです。すごいです。

まとめ

「見る」「聴く」だけではなく、やはり「匂い」だったり「触る」ことで感じられることって大きいのだなあと思いました。今回は展示ホールと縄文の村を訪れただけでしたが、縄文時代をすごく身近に感じられたように思います。

火焚きをされていた方も仰っていましたが、現代人と縄文人。生活スタイルは大きく違うけれど、人間の本質はそんなに変わっていないのではないか、と。

縄文土器できのこ汁を煮たり、縄文人の主食だったドングリでクッキーを焼いたり、という縄文食体験が10月にあるそうなので、今から目を光らせています。それでこの住居に泊まれたりする日があったりしたら、もう予約殺到なのではないでしょうか?!それともわたしだけでしょうか。

みなさんもぜひ一度訪れてみてください。